第1話-⑰
「じゃあ、私はこっちだから」
「うん、じゃーな」
私は少し
私は自分の家へと帰るため
空はもうすっかり真っ暗で、少しだけ星が光る。
熱を出した
傍に
もしかしたらひとりで泣いて居るのかもしれないけど…。そんな
…怖いのよ。本当に…。
…嵐の前の静けさ…みたいで。
ところで
ふたりが付き合っていた事は知っているみたいだったけど…。
私は考えるのを辞めて帰路に着いた。
静かな部屋で意識が覚醒していく。
薄らと目を開けると部屋の中は真っ暗で、少し開いたカーテンからは月明かりが差す。
まだ、頭は痛いが少しマシになった気がする。
そういや…あれ…今何時?
俺は手探りで携帯を探すがそれらしきものは手に触れない。
あー、そうだ。カバンの中だ。
帰ってきてそのままベッドにダイブしたから携帯はカバンの中にある。
月明かりだけを頼りに壁を伝い電気のスイッチを探す。カチッと音がして、電気がついた。
急に明るくなった部屋に一瞬クラっと目眩がした。
「……ぁ」
俺は部屋のローテーブルに目がいった。
テーブルの上にはパウチのお粥が数個と冷えピタ、そしてスポーツドリンクなどが並んでいる。
「…何これ」
そしてもうひとつ…メモがあった。
そこには 【食べれそうなら食べて。冷蔵庫にゼリーとか入れてる。あと水分補給しっかりするように】とだけ殴り書きで書いてある。俺はその場にずるずると足の力が抜けたようにしゃがむ。
「…はぁ…おせっかいすぎ」
彼が俺のためにこんな事までしてくれる。
その事に何だか心がくすぐったくなって、身体が熱くなる。熱上がりそう…。
学校行ったら、お礼言わなくちゃな…俺はカバンから携帯を取り出した。液晶画面にはメッセージ1件の文字。
【熱は大丈夫?明日は学校終わったら様子見に行くわ。】
なんで熱のこと知ってんの?
【あと、
「…は?」
思わず声が出た。
何で
会ったって何?え?俺は速攻
『もしもし』
「もしもし?
『
「だ、大丈夫!大丈夫なんだけど、なに今日
『えぇ…あなたの家の前でばったり』
「はぁ…今日も来てたの…」
「…何か話した?」
『特に何も』
ぶっきらぼうな言い方はいつもの事だ。
「あ…そう」
『
「なに」
『明日学校休むの?』
「あー…多分?」
『そう、分かった 明日家に行くわね』
「え、いいよ 別…」
ツーッツーッツーッ
切れた…。まだ言い終わってない…。
俺はポイッと携帯をベッドに投げ自分もベッドに横になる。
なんか、疲れた。俺はまた眠りについた。
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