第1話-⑯
俺は意を決して言葉を発する。
「…あの…さ、さっき
「ええ、そうよ
「…そか、
「知ってるの?」
「…あー、うん」
「そう、なの」
「やっぱりその、そういう感じ?」
「…うん ふたりは付き合ってたわ」
『付き合ってた』その言葉だけがクリアに聞こえた。やっぱり嘘ではなかったのだ。
「
「うん、」
「驚いた 人にそんな事言うなんて…」
『普通男同士なんて有り得ないものね』
さっきの
別にそういう事を言わせたかったわけではない。
「さっきの…」
「さっきの?」
「あの、男同士なんて有り得ないって」
俺がそういうと
「別に俺はそんな事思ってないから。ただ
チラッと
「ありがとう。あなた見た目に反して優しいのね」
「…なんでそうなるんだよ」
俺は溜息をつく。ただ誤解を解きたかっただけだ。すると
「
「え…おいおい、何改まって…」
「あの子、いつも自分は大丈夫みたいな顔をしてるけど本当は違うの!」
顔を上げた
大きな目から涙が出るんじゃないかと思うくらいうるうると潤んでいた。
「寂しがり屋だし…本当は誰かと一緒に楽しい事沢山したいって思ってるはずなの!」
「わかった、わかったから!」
「…だから…。もしあなたが
その時の
普通の高校生活…それが引っかかった。
必死な顔の
「わかったよ、
そう言うと
「うん…本当にありがとう…」
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