第1話-⑭
学校から徒歩15分の所を30分かけてやっとたどり着いた。身体はもう限界を迎えていて、頭はズキズキと痛む。
「お邪魔しまーす」
「…どうぞ」
部屋は朝家を出た状態で散らかっているがそんな事を気にしている暇はないくらいただただ今はベッドに潜りたかった。
ただのワンルーム、玄関から短い廊下をよろよろの足で歩き廊下と部屋を隔てる扉に手をかけ、そこからは
「ちょ、大丈夫かよ!」
ボスンっとダイブした俺に
「…うん、」
俺は制服を脱ぐのもしんどくてそのままベッドに潜る。
「大丈夫じゃねーだろ、それ」
ヒヤッとした
「やっぱ熱上がってんな、冷えピタか氷枕ねーの?」
「…ない」
「んー、俺買ってこようか?しんどくね?」
「…ううん、いい。要らない」
「…そか」
「
「ん?」
俺は名前を呼んだ。
きっとこんな事言ったのは熱のせいだ。
「
「………」
それがヒヤッとして気持ちよくて、火照った身体には心地が良かった。
「………」
「…はぁ…」
その冷たさに酔いしれていると
「…
「…?」
「…お前いつも
その言葉の意味が一瞬分からなかった。
最近寝た気がしないのは、
「…
「うん、すげぇしんどそうだった」
「…そっか」
あの夢のせいで俺は
寝た気がしないのは
「…なんか、夢でも見てんの?」
「…覚えてない」
嘘だった。本当は全部覚えてる。
暗い空間に
そんな夢をここ最近ずっと見るんだ。
これは俺への罰なんだと思う。
「…そか。今は眠れそう?」
「…多分」
正直眠った後が問題だ。
眠りに着けても夢を見てしまっていたら
でも、もうなんか今日は限界だ。
「…眠りにつくまで俺いるから」
「……」
限界だった俺はその言葉を聞いて瞼を閉じた。
すぅすぅと寝息を立てる
頬には俺の手、その俺の手首をぎゅっと握りながら眠りについた
保健室で
とりあえず今は
する事もない俺はゆっくりと
台所とベッドとローテーブルしかない質素なワンルーム。収納は簡易的なカラーボックスが二つ並んでおりそこに教科書やら数冊の漫画が並んでいた。
カラーボックスの上には時計や卓上カレンダーが置いてあり、そこに何か1枚の紙が置いてある。
俺はもう完全に眠ってしまい緩くなった
そこには
誰かも分からないその男に俺は一瞬で誰だか分かってしまった。
こいつが
その写真を見た時、胸がチクリと痛くなった。
俺はなんだか見てはいけないものを見てしまった感覚になり、サッと元あった場所に写真を戻した。
少し
外はもう暗くなり始めていて、熱があっても食べられそうな物を買いにスーパーへと向かい、適当に買って
そっと玄関の扉を開け、部屋にいる
良かった、
適当に買ってきた物を冷蔵庫に入れ、ローテーブルの上にメモを置き、その日は
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