第1話-⑬
「帰れそうか?」
「…うん、帰る」
「ん」
俺は頷いて、ベッドから起き上がろうとする
「…ありがと」
「まだ熱高いか?」
「…マシになったと思う」
「そうか、良かった」
するとガラッと扉を開く音がした。
「ごめんねー!会議長引いちゃって…。
先生が慌ただしく入ってくる。
「あ、はい!」
俺は咄嗟に返事をする。
「あ、
「…はい 寝たら少しマシになりました。」
「そう ゆっくり帰りなさいね。
先生にそう言われ挨拶をしてふたりで保健室を後にした。
学校から出た俺は自分のかばんと
怠そうにふらふらゆっくり歩く
かなりしんどそうだな…息も上がっていて、倒れそうな…。
「…
俺は思わず声をかける。
「…ん?なに」
「…あのさ」
俺は男に言うべきか迷ったがふらふらしている
「…おぶろうか?」
「…は?」
あ…間違えた。
「いや、歩くのすげえ、しんどそうだから」
「…ぁ…いや、それは大丈夫」
「…だよな、ごめん」
あー、なんかクソ恥ずかしい。
そりゃいくらしんどいからって、男におぶってもらうなんてないよな。
「…でも、ちょっと」
「ん?」
「…腕…掴んでもいい?」
遠慮がちに言う
「もちろん!」
俺は少し嬉しくなって、
恋人同士が腕を組むように
「…ありがと 楽になった」
少し笑った
ん?今の何だ?俺は自分の胸に手を当てた。
「…どしたの?」
「…ぁ、いや…何でもない。家まだ距離ある?」
「…ぁー、うん あともうちょっと」
「そか、ゆっくりでいいから」
そう言うと
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます