第1話-⑦
「は?」
いつものファミレス。俺は自分の中でこの事実を抱えるには荷が重すぎて
「え、その話本当?
「うん、
「はあああ?嘘に決まってんだろ」
「ユズ…」
「確かに、あいつが亡くなったっていう噂は確か…去年の夏に流れた」
「…去年の夏」
「でも、去年の夏は
「そうそう、普通だったんだよ。それはもう普通。何も変わらん それに本当に殺してたら、警察に捕まってんだろ」
「でも本人がそう言ってたなら、そう思う何かがあったって事なのかな」
「つかあいつが亡くなったとか信じられねーわ。なっ、
「うん、なんかそうだね…」
二人の話からすると相当信じられない事なんだそうだ。俺は
そしてもうひとつ…
「…あと、」
「あと?」
「…
「はあああ!?げほっごほっ」
「ちょ、ユズ大丈夫?ほら、コーラ飲んで」
俺の言葉を聞いて
「あ〜もう、大丈夫かよ…」
俺は呆れたように
「そ、それも本人から聞いたのかよ」
「うん、確かに言ってた」
「はぁぁぁあ、まじか…まじか…」
「まあ、そう言われても不思議じゃないよね。あの二人は…。」
「そんな感じ?」
そして
「確かにあの二人はずっと一緒だったよ。なんかふたりだけの世界?って感じで…ちょっと異質だったよ」
「ふーん」
「あー!なんか妙に納得だわ!でも…」
「でも?」
「俺から見たらお互いがいないと生きてけない程依存してたように見えてたから亡くなって
傍から見てもそう思う程ふたりの仲は誰も入り込めない異質なものだったのだろう。
なのに…俺は思う。あの時の
恋人が亡くなってするような顔じゃなかったのは確かだ。
「
次の日、俺は普通に
「……おはよ」
俺は構わず隣の席に腰をかけ、カバンの中の教科書を机の引き出しに入れる。
隣から視線を感じつつ、チラッと
「…なに?」
「…いや、もう話しかけてこないかと思って」
「は?なんでそうなるんだよ!」
「…いやだって、俺…」
「ん?」
「同性愛者だし、彼氏殺してるし…」
「…おまっここで…」
「…怖くないの?」
今までに見たことがないような真っ直ぐした瞳だった。
だから俺もはっきり言った。
「その殺したって表現はよくわかんねーけど、お前の事怖くねーよ」
俺がそう言うと
「てか殺人は怖えーけど、お前そんな事するやつじゃねーだろ?だとすれば同性愛者?それの何が怖いの?え?」
「…いや、いいよ、もう。」
「え?なになに?どういうこと?」
出会って数ヶ月
その笑顔を見て少し…少しだけドキッとした自分がいた。
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