「…紗雪さん?」


慎太郎さんの声がして、ベットの縁に彼が座る。


「…大丈夫?」



彼の優しい声が余計に涙を誘う。


「………ぅ…」



「紗雪さん、気分転換しに行こうか。今日土曜日だし、家に引きこもってても辛い事思い出しちゃうでしょ?ちょっと、外の空気でも吸いに行こうよ」



布団に包まったまま私は首を横に振る。

すると彼はほーら!と言って布団をめくる。



「…お願い、俺行きたいところがあるんだ。」



真剣な少し寂しそうな顔。

いつもの優しい笑顔とは違う…。


「…ひとりでは行けないから一緒についてきて欲しいな」


そしてまた寂しそうな顔をして笑う。



その笑顔はなに?

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