あの日から3日。

何故か私は慎太郎さんの家にいる。


ひとりでいると死ぬ事しか頭になくて

窓から見える向かいのマンションの屋上を見るだけで あそこから飛び降りたら死ねるのかな

とか ドアのドアノブを見るだけでここで首吊ったら死ねるかな とか 目に入ってくる全てが死に直結する。

別に死ぬことを意識しているわけではない。

ただ飛び込んでくるもの全てがこの世からいなくなるひとつの手段ではないのかと勝手に変換される。


そして夜は安定に眠れない。

次の日が来るのが怖くて、朝が怖い。

眠れるのは朝方。


そして仕事を無断欠勤して3日。

今だに律儀にかかってくる会社からの電話に私は出れないでいた。


ブーッブーッブーッ


私はぼーっとスマホの画面を見る。



「紗雪さん!朝ごはん食べる?」


ソファにぼーっと座っている私に慎太郎さんは声をかけてくれる。

私は声にはださず、ふるふると頭をふる。


「そっか!お腹空いたら食べてね!ここにご飯置いてるから!じゃっ、俺仕事行ってくるね!」


そう言って彼は仕事に行った。

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