②
静かな夜。終電間際のホームには誰もいない。
わたしひとり。
もういいや。
全てを捨てて楽になろう。
ただ一歩踏み出すだけで、私は…
その瞬間 思いっきり後ろに引っ張られた。
自分の左腕が痛い。
私の目の前を通り過ぎていく電車。
あぁ、行っちゃった と心の中で呟く。
顔を上げるとうっすら汗をかいていて、慌てたような様子の男の人がいた。
私の左腕を掴んで後ろに引っ張ったのはこの人だ。
「はぁ…何してんすか!」
男の人は私に向かって声を荒らげる。
「……………」
答えない私に彼は
「…はぁ…もう…」
俯きながらため息をつく。
これが私と慎太郎さんとの出会い。
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