「…怖かった」


「…うん」


「本当は…」


「…うん」


「…誰かに甘えた…い」


「…うん」


松村さんはずっと私の背中を心地よいリズムでたたいたくれた。

まるで子どもを落ち着かせるかのように…。


「落ち着いた?」


「…はい、ごめんなさい、本当にありがとうございます」


「もうこんな夜にひとりで歩くの辞めなね」


松村さんのバーは今日は休み、誰もいないバーに松村さんは私を招いたてくれた。


「あと、音楽聴きながらの夜道は尚更危ない」


「…はい、すみません」


コトッ

松村さんは私の目の前にコップを置く。


「ホットミルク好きでしょ?」


「…ぇ、なんで…」


松村さんはクスッと笑って


「まだ思い出せません?俺の事」


「………」


ホットミルク…。

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