「…疲れた」

このもやもやを払拭しようと残業をして、仕事にのめり込む。


もう外は真っ暗で、ひと通りも少ない時間。

音楽を聴きながらとぼとぼ暗い道を歩く。


すると急に腕を引っ張られ脇道に連れ込まれる。


何が起きたか分からなかった。


「お姉さん、ひとりでこんな夜遅くは危ないよ」


そういって男はニヤッと笑う。


怖い。

直感的にそう思う。でも声は出ない。

身体は強ばる。


男に掴まれている手首が痛い。

男の臭いが気持ち悪い。


恐怖で自分の呼吸が早くなるのが分かる。


男の顔が近づいてくる。

私はギュッと目を瞑る事しか出来なくて。


ドガッッ!


「お前何してんだよ」


低い声が聴こえる。

目を開けると…


「…松村さん…」


松村さんはその男を思いっきり蹴り飛ばしてた。

松村さんの迫力に男は一目散に逃げ出していた。

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