③
『ひとりで生きられそう』
『お前って俺に甘えて来ないじゃん。』
『俺がいる意味ある?』
『頼ってもくんねーの?』
「ーっ」
今まで言われた言葉が脳裏で再生される。
悪夢を見たように目を覚ます。
身体は汗をびっしょりかいていた。
「…最悪…」
ベッドから起き上がり、水を1杯飲む。
「…甘え…か」
『お母さん、あのね』
『お母さんお仕事で忙しいの いい子で待っていられるよね?』
『うん…』
そんな遠い記憶。
共働きの両親。いつからか甘える事頼る事をしなくなっていた。
それはいつしか、好きな人の前で感情を素直に出す事も出来なくなっていった。
「…私、ずっとひとりなのかな」
窓から見えるのはうっすらな光る月。
私だって素直に誰かに甘えたり、頼ったりしたい。
でもいつも何か ストッパーがかかって、何も言えない。
自分ひとりで解決しようとしてしまう。
現にひとりで解決できちゃうし。
でも独りは嫌で、本当は寂しがり屋で。
「…誰か愛してくれない…かな」
そんなわがまま、人に言えるわけもなく。
何もかも1からやり直したい。
ただただ素直な人間になりたい。
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