②
「お前ひとりで生きてけそうじゃん」
目の前の男は私にそう告げる。
「お前は俺がいなくても生きていけるだろ…だから別れて」
そう一言告げ彼は家を出ていった。
3年、付き合った彼に告げられた一言。
思った以上に心に響いた。
きっと最近仲良くなった女の所に行ったんだろう。
「…はぁもう、やだ」
「今日よく飲みますね〜」
「聞いて下さいよ!松村さん!」
「ずっと聞いてますよ」
ここは行きつけのバー。
彼が出ていってすぐ、開店と共にバーに来た。
ひとりで部屋にいられる自信がなかった。
「3年付き合った彼氏に振られました!」
「……」
「なんか言って下さいよ!」
「…なんて言って欲しいんですか?」
「ん〜なんだろ。」
「………」
松村さんはクスッと笑ってカクテルを作り始めた。
「男の人は少しか弱いくらいの女の人がすきなんでしょ?」
「みんながみんなって訳じゃないと思いますよ」
「そうかな…少しか弱いくらいの方が可愛いですよ、そりゃ…」
「…今日は、サービスします。」
「…え」
松村さんは私の前に淡いピンクのカクテルを置いた。
「今日だけですよ」
そう言って笑う松村さんはなんだか色っぽくて。
お酒が入ってるせいか。
少しかっこよく見えた。
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