⑨
「私も…子どもがほしいって言いたかった…何も考えずに子どもがほしいって…でも言えなくて…。みんなが羨ましかった。」
朔斗は何も言わず、ぎゅっと抱きしめてくれた。
「えらいね、柚希は。ちゃんと子どもの事を考えれて。俺なんてさぼんやり二人の間の子どもが生まれたら可愛いだろうなとかそんな事しか考えてなかったよ。その子がどんな人生を歩むかそう言った事まで考えれる柚希を俺は尊敬するよ」
泣きながら朔斗の顔を見る。
「ありがとう、沢山考えてくれて。子どものことはこれから少しずつかんがえればいいし、俺は子どもがいなくとも柚希と一緒にいれればそれでいいんだけど。」
「…朔斗」
「だからもうそんな自分を追い込まないで?生い立ちも何もかも全て受け止めるから。だからもう泣かなくていいよ?」
「………」
「…だから、柚希結婚しよ?」
朔斗の予想だにしない言葉に私はもっと涙が溢れて止まらなかった。
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