第3話 『中継ぎ女王は隠遁したい』
ハノーヴィスの王都コバーグにそびえる王城には、夜な夜な女の幽霊がさまようと言う。
その姿は足首まで伸びる長い髪を娼婦みたく垂らしているだとか、身の破滅を覚えるほどに妖艶な美女だとか、常に顔を両手で覆って踊り場で泣き続けているだとか、口にする人間によって様々だ。
だが、幽霊の正体については、1年前に王位を追われた女王ベアトリス・イザベラ・ダンファーレンで一致している。
…………という冒頭は固まっています(いきなり)。
んで、まあ若干不吉さ漂う感じなんですが、タイトルの通り女王は下の兄弟が成人するまでの単なる期間限定の君主で、短い治世の間は先代たちが崩れそうなほど積みに積み上げて勝ち逃げした負の遺産(戦後処理とかそこらへん)の対応に追われて休むどころかまともな政務どころでない忙殺の日々を送っていたので、退位した後は二度と君主にはならないと決意しています(すげー消極的な決意)。
なのですが、国王が住まう城では、「玉座及び政治生命を断たれた女王が、我が身の不遇を嘆いて国王を呪っている」的な噂が流れ出したため、国王への忠誠、並びに謀反の意思はないことを証明するべく噂の出所を調査し根絶する…………的なお話です。
ここまで考えていて、結末もなんとなく決めているのですが、ゴールまでの紆余曲折をどうしようかなって……。私の中で女王は何事にも消極的だけど何気にアグレッシブな性格(どっち?)で、好みのキャラ付けなので生かしたいなあと思いつつ、…………生かしたいなあ(願望)。
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