あくる日の準備③
「かぐや!私も!」
「はあ~もう…」
いやいや能力をかけるかぐや。
ふわ~
「浮くのにはちょっとこつがいるの!はい!手!」
翼は真理愛と手を繋いで浮くコツを教えてもらう。
「あ~、またやってる~」
「いいな、いいな私も!」
「皐月さ~ん、俺も~」
クラスの人達が気づいてかぐやに群がっていく。
「わわっ、順番です~」
かぐやは順番に触れていき、次々と宙に舞うクラスメイト達。皆宙を舞って、泳いだりアイススケートのように可憐に宙を滑ったりしている。
-皆慣れてる…。
「みなさーん、危険な飛び方は辞めて下さいね~」
下からかぐやが叫ぶ。
天井にはほとんどの生徒が飛び交い、それぞれ楽しそうに舞う。
賑やかに楽しそうに、みんな笑顔で…。
なんだか胸付近が暖かくなった気がした。
その風景を眺めているとパチッと真理愛と目が合う。
「楽しいね、翼ちゃん」
「うん」
「…笑った」
-翼さんが笑った。
笑った顔なんて今まで見たことがなくて。
凛として綺麗な整った顔は本当にお人形のよう。本当に生きているのか疑問に思うくらい。
何を感じて何を思っているのか本当に読めなくて、不思議な感覚だった。
そんな翼さんが控えめに笑った。
それがなんだか嬉しくて…。
少し…少しだけ、安心した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます