あくる日の準備②

「!?」


その衝撃的な行動に心の中で慌てる翼を他所にふたりは普通に天井に向かって投げたランプを見る。するとかぐやは人差し指をそのランプに向けてくるっと円を描く。

重力によって落ちてくるであろうランプは落ちずにその場でふわふわと浮く。


「…え」


そしてかぐやはまた人差し指で下から上へと一直線に指を動かし、そのままランプを天井に付けた。


「私の能力は浮遊なんです」


「…浮遊」


「かぐやはねー、物でもなんでも浮かしちゃうんだ!」


真理愛はそういってランプを投げてはかぐやの能力でポンポン天井にランプを付けていく。


「…凄い」


その慣れた一連の動作が軽やかで随分慣れた様子だ。


「ふふっ、かぐや、かぐや」


「え、え~真理愛ちゃん」


「早く早く」


翼が天井に着いたランプを眺めていると、真理愛とかぐやはコソコソ話をしている。

翼を見てにやつく真理愛。


「ほ~ら~!」


真理愛はかぐやの背中を押す。


「わっ」


かぐやそのままバランスを崩して翼の肩に触れる。


ポワンっ~


その瞬間触れた肩が薄く黄色く光り、ゆっくり足元が床から離れる。


「え…?」


ふわ~


-う、浮いてる!?


「え、嘘。ちょっ…え?」


「慌ててる、慌ててる~!」


「あ~もう真理愛ちゃんのせいですよおお!」


「あははっ!どう~?翼ちゃん!かぐやは人でも浮かすことができるんだよ~」


「こ、これどうやって下りればいいの?わっ、あ、痛っ」


身体がふわふわして壁や色んなところにぶつかる。身体が上を向いたり下を向いたりコロコロ変わる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る