専用室と繋がるもう一つの部屋。

その部屋は暗くて、冷たい空気が肌に刺さって少し痛い。御影（みかげ）の背中が暗い。

「御（み）…」

－違う…今は、六花次期頭首。

そう名前を呼ぶのに躊躇する。

片膝を床に付け頭を下げる。

｢真理愛（まりあ）…ちゃんと覚えてる？｣

｢えぇ、もちろん｣

「頼んだよ、真理愛（まりあ）」

「はい…」

鋳薔薇（いばら）御影（みかげ）【リデルガ】の次期頭首。

始まりの純血種の子孫。

私たちの関係は所詮、王と下僕。

逆らうことは絶対に許されないー…。

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