リデルガ⑲

だから…




『…愛してる…わ、つばさ


あの言葉を聞けるなんて思っても見なかった。


「…そっか」


「……ぅん」


「…俺も、やっぱり母親っていう存在はよく分からない」


風に吹かれて消えそうな、そんな小さな声。


「…でも、これだけはなんとなく分かった」


御影みかげは月からつばさに視線を合わせる。


「あの言葉に嘘はなかったと思う」


御影みかげの真っ直ぐな瞳がつばさを貫く。

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