リデルガ⑪
その瞬間
ドガーンッという衝撃音と共に翼の首を絞めていた男子生徒が目の前から姿を消し解放された喉から一気に息を吸い込む。
「げっほ…ごっほ、」
「おい、お前何やってんの?」
視線を上げるとそこには、茶色の髪に大きな身体の男子生徒が立っていた。
どうやら
「げっほ、げっほ」
凄い力で締められていたせいでまだ喉がおかしい。吹っ飛んだ男子生徒が上半身を起こす。
「
「答えろよ、お前何やってた?」
「……えっと、」
「あ?」
「…そ、その女、人間っす!
その瞬間その場の空気が変わり凍り付いた。
-バレた…?
「お前まじでそんなこと思ってんの?」
「だ…だって、匂いが…」
「あのなあ、俺らがここに人間入れるわけねーだろ。舐めてんのか」
「っひ」
「っち、もういい。行け」
男子生徒は身体が震えて腰を抜かしている。
「聞こえてねーのか?」
その脅しでその男子生徒はもの凄いスピードで這いずりながら廊下を走っていった。
「けっほ…」
「大丈夫か?」
先程の衝撃音により、なんだなんだ?と生徒達が集まってくる。
「けっほ、うん。大丈…夫、けっほ」
「
すると数人の人をかき分け
「どうしたの!?何があったの!?大丈夫!?」
慌てふためく
「…
それが合図となり、
「うん。
息苦しかった喉が苦しさを緩和していく。
「これで大丈夫、ごめんね。私も一緒にいけばよかった…」
今にも泣き出してしまいそうな顔で
「なに?なに?」
「喧嘩?」
まだまだ集まってくる生徒達。
「クンクン」
急に近づいた
「…確かに、ちょっと匂いがなあ~。本当に微かだけど…」
「なに?
「さっきの男、
「え…そういうこと?」
「あら~そういうことかよー、しゃーねーなあ。吸血種の中には人間が嫌いなやつもいるからな」
いつの間にか
赤毛の男は頭をぼりぼり掻きながら少し離れた所へと移動しおいでと手招きする。
ーーシュッ
「うっ」
急な水しぶきの衝撃に目を瞑る。
「これで、OK~」
「わっ、
「ん~?人間の匂いを緩和する香水みたいなやつ~」
「へえ、また変なの作ってやんのー」
「変ってなんだよ、
そして
「うん、もう大丈夫」
そう言って
「
「はいはい、とその前に俺
「よろしく!!」
「…よろしく」
「これから会うこと多いと思うから。あ!ちょっ
「
そう言い残しにこっと笑って三人はどこかに行ってしまった。
愁が声をかけた方向には人だかりの一番後ろに背の高い薄いグレーの髪が揺れるのが見えた。いつからいたかのか、気配が全くなかった。
そこには
時間が止まったように誰もが
そして
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