リデルガ⑩

コンコン


大きな扉をノックする真理愛まりあ


「反応ないね~」


さっきから何度かノックをするものの中から反応は一切ない。


「まあ、いっか」


そういって真理愛まりあはドアノブを回す。

ガチャりと開く扉。

部屋に入ると大きな部屋に大きな机、ソファーとローテーブルと並んでいる。


-ここはなんの部屋だろう…


いつの間にか真理愛まりあはソファーに座りくつろいでいる。


「疲れた…つばさちゃんも横おいで、疲れたでしょ~」


そういって手招きをして自分の隣に座れというようにソファーを手の平でボフボフする。

つばさも隣座ると、体重でソファーが沈みモフモフで気持ちがいい。

正直寝そうだ…じゃなくて


「ここは何の部屋?」


そう聞くと目を半分閉じていた真理愛まりあがふにゃふにゃした口調で口を開く。


「ここはね~御影みかげたちの部屋だよぉ~御影みかげはほとんどここで過ごしてるけどね~」


「”御影みかげは”?」


「うん、今日御影みかげ、教室いなかったでしょ?」


「ぁ、うん」


というか一緒のクラスだったんだとこの時 つばさは初めて知った。


御影みかげは授業ほとんど出ないんだ~、【学園】来ても基本この部屋に閉じこもってるの~」


「そう…なんだ」


「はぁ~ほんとここのソファーは人をダメにするなあ~。寝ちゃいそう…」


つばさはそれでいいのか…?と疑問に思う。【学園】側は何も言わないのだろうか。

生徒が授業に出ないなんて、【リアゾン】では考えられない。それを許されている御影みかげは一体何者なのか…。

真理愛まりあはもうソファーの居心地の良さにやられている。


-ダメだ。もう半分夢の中に行っている。


緊張が解けて翼はトイレ行きたくなってきた。


真理愛まりあちゃん…トイレってどこ…」


「ここ出て右に曲がって廊下を真っ直ぐ行って左だよ~」


目を瞑りながら真理愛まりあは教えてくれた。


「ありがとう」


そういってソファーから身体を起こす。

言われた通りに右に曲がって廊下を真っ直ぐの左折、トイレがあった。

さっさと、トイレを済まし手を洗い、トイレから出る。

するとトイレを出た廊下で男子生徒とぶつかった。その衝撃で手に持っていたハンカチを落としてしまう。


「ぁ、すみません」


「ぁ、ごめん」


ハンカチを拾おうと手を伸ばした時彼もまたハンカチに手を伸ばした

つばさの手と男子生徒の手が触れる。

その瞬間空気がピリついたのが分かった。


「…あんた…人間…?」


そういって男子生徒はつばさの首に手を伸ばし、一気に壁際へと追いやる。


ドンッ!!!


つばさの背中は壁に思いっきり叩きつけられ、首を絞められる。


「…う…っぐっ」


-苦しい…


首を絞める力はどんどん増していく。

失いそうな意識の中、男子生徒に目を向けると彼の目は赤く染まっていた。


-赤…?

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