リデルガ⑨
ガチャ…
【学園】の一角にある一際豪華な部屋。
「お~っす」
その仕草だけで、傍からみると怖いくらいの美しさが際立つ。
「…なに怖い顔してんの」
声を掛けても書類から目を離さない
「いや、別に」
「
「
「はあ?お前が連れて来るってうるさかったのに何他人任せしてんだよ」
「………」
「たっくこれだから坊ちゃんは」
「
「お前は桁違いに坊ちゃんだろ!!」
そう思って、ソファーにドカッと座る。
「…俺と居たら変に注目浴びるだろ」
「…お前さあ、俺らのこと言ったの?」
「言ってない」
「…はあ」
頭を抱える。
こいつはいつもこうだ。肝心なことは口に出さない。
だからよく周りから誤解される。
それを分かってて、やっている節がある
一歩外に出れば笑顔の仮面を張り付けて柔らかい声色と丁寧な口調で関わる人を欺く。
本当のこいつは口が悪くて、どこか闇があって危なっかしい。
そんな
あ、いやまだいたな…まあ、あいつらはいいか…。
とまあ
「…言うから」
聞こえるか聞こえないか、そんな小さな声だった。
首が自然に
「言うから…俺から」
さっきより少しだけ大きな声で
あの、
「おう!!!!」
俺は立ち上がって
なんだか嬉しかったのだ。
今までの
「痛いって、力強いから」
零れる笑みを抑えきれなくて、少しずつ変わる
でも…まあほんの一部だけど。
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