リアゾン④
そして一日が始まった。
【リデルガ】のふたりは教室の1番後ろに席を設けられ大人しく授業を受けていた。
一限から二限、二限から三限と時間が進んでいくが【リデルガ】のふたりが気になるのかクラスの生徒たちはそれはもうソワソワと落ち着かない様子だった。
それはもう生徒だけではなく、先生たちも例外ではなかった。
何百年も交流を避け続けた両国にとってお互いの存在は珍しいもので、特に【リデルガ】のふたりはとても美しかったからだ。
『このような言い伝えがたります。
今【リデルガ】のふたりを見て
あの言い伝えは本当だろうと…。
そんな事を考えボーッと授業を受けていると甘い香りが
-この匂い…
「…いたっ」
その瞬間隣の
どうやらプリントの端で指を切ってしまったようだった。
ティッシュがどんどん赤く染め上げられていく。
少し深く切ってしまったようだ。
息遣いも早くなるのが分かる。
-落ち着け!落ち着け!
心の中で必死に落ち着けようとするが、それとは裏腹にどんどん呼吸が乱れる。
甘え香りに美味しそうな赤…。
身体が熱くなっていく…。
広がる血の匂い、
「…先生」
その低い声にクラスの全員が反応した。
声を発したのは
「怪我してますよね?凄い匂い」
「…えっと、」
口ごもる
「先生、僕たちは
「…ぁ、」
「【リアゾン】の学校の雰囲気は分かりました。本当は最後まで今日一日見学する予定でしたが、これじゃあ見学どころではありませんのでこれで失礼致します」
「…ぁあ、はぁ…分かりました」
そう言ってふたりは教室を去って行こうと教室の扉に手をかける。
歩みかけた足を止め
「そこの、黒髪ロングの女生徒さん。体調が悪そうだ。保健室にでも行った方がいいじゃないですか?」
そういって不敵に笑った。
その言葉にクラスの全員が
真っ青な顔をしている
「…どうしたの?顔色真っ青よ?保健室行ってきなさい」
先生のその言葉に甘え、
この教室にいるとどんどん身体が熱くなっていく。もう
小走りで教室から出ていく
心配そうに見る
そして、【リデルガ】のふたりが行った方向とは真逆のトイレに向かう為廊下を走った。
「…
「…
-やっと、この時がきたのか…
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