「殲滅戦」

 <少年兵視点>

「くっそ、次から次へと!?」


『そっちに1機行ったぞ!!』 


『助け……』


『平城がやられた』


『右側の穴を誰か埋めろ!!』


 まさに死屍累々。まだ犠牲者が少なく戦闘を続けていられるのが不思議なくらいだ

 統率を取ってくれるはずの正規兵は僕らを守るために最初に死んだ


「くっそ、何で当たんないんだ!?」


 戦人専用の軽機関銃「46式軽機関銃」を撃つがほとんどの玉が敵に当たらず地面に落ちる


「くっそ」


 そうしている間にも味方がまた1機、1機と倒れていく


「くっそ!!頭がおかしくなる……」


 このまま僕達は死ぬしかないのか!?

 何をすればいい!?仲間を見殺しにしないで助ける方法を……


『六花、後』


「後ろ?しまっ!?」


 気付いたときには蹴り飛ばされて数メートルは吹き飛ぶ


『警告、警告。機体腕部損傷、脱出してください』


「っぐ、武器を持たないと」


 吐き気を堪えメインカメラを見ると敵2機はこちらに銃口を向けていて


「ごめん、死ぬわ」


 まだ小さい弟の顔を思いながら目を瞑る

 だがいつまで経ってもその時はやってこなかった


『第4小隊攻撃を開始せよ』


 通信機から幼さが残る声が響く

 恐る恐る目を開けるとそこにはさっきまで僕に銃を向けていた機体はコクピットを銃弾に撃ち抜かれ機能を停止していた


『少年兵くん、大丈夫かい?』


 僕はその命の恩人にオープンスピーカーで声をかけられた


 <ことわり視点>


 良かった。なんとか全滅するまえに到着できたようだ


「動けるか?」


『はい、大丈夫です』


「他の味方機は?」


『ええと、大丈夫です。全員保護されたようです』


「了解した。第4小隊に次ぐ我々はここから少年兵を連れ拠点までを撤退する」


了解ヤー


「基地への道は分かるな?」


『はい、一応……』


「なら基地に向けて走ってくれ、私は殿を務めることになるだろうからな」


「はぁ……」



−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

この作品はまちゅー様の「CUSTOM」の前日譚的なお話です

更新頻度は遅くなりそうですが許してください

初のロボット物、気合を入れて頑張ってまいります

よろしくお願いします


 下「CUSTOM」URL

 https://kakuyomu.jp/works/16818093085800831378

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Ice Heart〜血に塗れた戦争で〜 祝3000pv ユキとフユ@ 猫とコウモ @sinnonome

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ