第3話 15年後ーー森から出ようと。

こうして、エンデレスとグリュックは誕生した。あそこで2人きりにされたあと、父親達は身を結んでしまったらしい。今思うと、性急すぎる愛情だ、、、。

コレを聞かされた時はふうーんとしか思わなかったが、笑い話だろうな。


後になって姉のエンデレスは父の恥知らず!!とかなんとか赤くして言っていたって。。ほんと!女って意味わかんない!!


僕たちは別々に家を出た。

エンデレスは後からくるらしい。埋葬とか面倒なのにするらしい。ご苦労様。。

馬の乗り方をを教えてもらったが、いざ、旅に必要かと言われると、僕にとってはお荷物な気がしてきた。なので姉に譲ろう。

さあ、て。

森から出た後、日差しは浅く、雨が降っていた。家に戻るべきだろうか。しかし別れを言った後に戻るのも癪だ。雨の中を半ば無理に歩いてレガート王国を目指した。

ここは東の奥だからひたすらにまっすぐ進めばいい。


いつか、道が気開けるだろう。



一ヶ月後、この無謀な旅は終える。

空腹と水不足と疲れを限界に達した、僕が倒れているのを旅人が見つけるまで。

彼は丁寧だった。

孤児院の近くで僕は倒れていたらしい。だから運良く、母の『遺品』を手を出されず、ただの孤児院から抜け出した悪ガキのどの過ぎたイタズラなんだと思われた。

そのまま、僕は拾われて、孤児院に留まっている。

辛い旅だったけれど、ご飯も服も、屋根のついた立派な家に、仲間もいる。

初めての人間の友達ってやつかもしれない。


そうして、時がくるくる回るのを怠惰に過ごした。

ここはなぜか居心地よかったのだ。


しかし、いつからか、孤児院、院長のおばさんが{皆んなは彼女を『マム』と呼ぶ}礼儀作法を厳しく僕にだけ教えるようになった。なんの心がわりだろうか。貴族達も時々顔を出す。それらは今に始まったばかりらしい。孤児院の子供達が物珍しげに厳しくされてる僕を不思議そうにみている。中には、あいつは、もうじき売られるんだ?とかいうやつもいた。

それ自体は不思議じゃない。

孤児院から子供を買い取ることをしたり、保護を譲ったりすることはまあよくあることだろう。

だからなのかと特になんとなしに直接、『マム』に聞いた.。、

「あなたはコレから王子になるのですよ!緊張感をもちなさい!!」

なんてこった!僕の素性を知っているのか?

お宝は見せてないし、無くした覚えもない。

だからなぜ知っているのか聞いてみたら、

「まあ!??やっぱりそうなのね????!!!」

と、腰を抜かしたのは彼女の方だった。

どういうわけがわからない。もう一度聞いてみたら。

「容姿があまりにも王殿下にそっくりよ!あなた!自覚なかったの?」


そうして、鍵のかかった祈祷室にある、この王国の殿下の肖像画を見せてもらった。

銀の髪の青い瞳の2人の男女が描かれたものだ。

すぐにわかった。

片方は、若い頃の僕の母だ。

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