第2話 宰相と近衛兵と王妃たち

ビート・マーレっトは朝早くから訓練所で兵達を訓練して、自分も鍛える。そして夜には一服の酒を呑んで寝床に着く。平凡な毎日だ。しかし、いつもこの訓練は自分を大切にしてくれる国王陛下と王妃殿下のためだと思うと、随分と自分を活気的にしてくれるからここまで育ててくれた父に申し分ない。毎年墓までお礼に言っている。


ビート・マーレットの特徴的な赤い髪なは目立ってしまうが、遺伝なんて関係なかった。いつもなら。この髪を美しいと思ってくれる方がいるのを知っていて、いつも彼の方の前では髪を手入れしている。

そう、銀の髪を美しくたなびかせ、うるおいの欠かない青い瞳のカランド・レガート王妃に横恋慕していた。いけないと理解しているが、なぜか他の女に目がいかない。美しいのは確かだが、もっと若くて見目のいい女性などいくらでもいるというのに。。ドルチェ・レガート王殿下も気づいているのだ。いつも、俺の前では王妃をほおをすり寄せて、口付けを見せつける。


そこで、俺の親友兼悪友のモデラート・リリンはそこまで、目にしているなら、「俺の宰相という立場を利用して、お膳立てしてやろうか?」と、悪びれもなく笑う。。

「そんな人道?に反した、、いや、少し魅力的だが、、できるわけない!!あんな美しい方を悪女にしてしまうなんて耐えられることはできん。」

俺がそう怒りながらいうと、「物事には事情があるんだよ。。」と、モデラートは静かにいって耳打ちしてくる。

「彼女達の秘密を教えてやる。。」

俺は聞き返した。「彼女『達』?」

「そう、お二人は遠い親戚の血筋の繋がった、姉妹に近い関係なのさ。お前、揶揄われているだけさ。

そんで持って、一番の情報は、王妃殿下、カランドさまは、実はお前に手を出したいけれど、姉上に意地悪されているのだよ。」

ビートは目を見開いた。驚きと希望で。

それが真実だとしたら、彼の方に手を差し伸べれる!!

とうとう、己の欲望に降伏した。全部はドルチェ殿下とモデラートの企みだったが。


「今すぐ!俺を王妃殿下カランドさまに逢引きさせてくれ!!頼む、、、、、、!!!!っーーー!!」


それを扉のない部屋で隠れて盗み聞きしていたドルチェ殿下が妹分のカランドを連れて身を乗り出し込んできて、笑い、微笑んだ。妹の王妃殿下は白いほおを薄く染めて、照れている。しかし嬉しそうに今にもソワソワしていて、なかなか見た目より、そういうコトに関心が強そうだ。



そう言い訳で、彼らは無事にお互い自分の恋心を結ぶことができたのだ。

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