正伝『レガート王国物語』

コトネ

第1話 色違いの双子。

この10年前、僕たちは産声を東の森奥であげた。。父と母は顔も知らない神に祈って、産声をあげていた僕たちを幸せになるよう祈ってた。


僕たちは双子として、しかしながら、色違いで生まれた。正反対の色だ、、、。妹は父の血を色濃く継いだ、赤い情熱の髪と黄金の蜂蜜色の瞳、、褐色の肌。。僕は、母さんのこの世のものより、妖精なんだと言われる方が納得する妖艶な、銀の白い髪の色と蒼海と空の中間の青の瞳。

赤と銀の双子だ。

金と青の双子だ。

今思うと、どうやって産み分けたのやら。。母さんはすごい神に愛された運の持主だったのかもしれない。


赤の髪のエンデレス・マーレット。

銀の髪のグリュック・マーレット。

僕たちの父からいただいた姓と母が名付けた名前だ。


僕たちは森の夏に生まれて、冬の峠に父達を無くした。

生まれて15年間、、妹は父に剣士の真似事(といっても本格的だが。)をさせて、よくいっしょに狩に行き、シカやウサギを狩ってきて、いつもの晩に食べた。

僕はというと、母に勉学と編み物を教えてもらった。母に似て、病弱な方だった。(あくまで父達に比べたらだ。)母には食べれるきのこやきのみの見分け方を教わった。

父には馬の乗り方を教わった。(この馬は大事な家族の一員でもあり、最終手段のご馳走であり、大事な家宝でもあった。)


この森奥には春にはたくさんの食べれる花やの草が顔を出して、夏には川辺で魚が採れて、秋にはきのみやキノコなどを保存する。狩った獲物の塩漬け保存などもする。

食べ物には困らなかったよ。

それが普通だと思っていたが、父達は死ぬ間際になって(どうやら死を覚悟して悟っていたようだ。。)自分たちは東の王国『レガート』の王妃と近衛兵という立場だったのを、お互い恋して、身分違いを呈して、ここまで隠れていたのだと。

つまり、僕たちは王族の一員なのだ。


身分証明の証として、母さんが、『レガートの宝石』をくれた。赤い赤いガーネットのティアラとネックレスを僕たち2人に。

「さあ、ここを出ていきなさい。。お前達は私達と違う道を歩んで。」


そう言って、森から出ることを宣言させて、ただ、静かに息を引き取った。

母はもう森奥では暮らせない。身体が子供を産めたのだって奇跡だったのだ。だから、いつも神様にありがたくしていたのだろう。後を追って衰弱した父は僕たちから身を隠したところで自らの手で首に刃を当てたのを、僕たちは怯えて眺めるしかなかった。


子供心に今でもショックだ。


ここから、両親2人が出逢う僕たちが生まれる以前の話にさかのぼる。。ついでに、、、ってやつさ。聴いてくれるかい、、。

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