第8話
realizeはスタジオに入って、練習の準備をしていた
「Ailes de rêve、全員いたな」
「ライバル登場ですか?」
涼介が言うと、達広がドラムをリズミカルに鳴らす
「Ailes de rêveなんて、お遊びコピバンに毛が生えたようなもんだろ、ライバルにもなんないよ。ギターの加賀美は上手いけどさ」
優吾がそう言って鼻で笑う
「でも、ボーカルは結構上手くね?」
「お前...奈菜美の前で言ったら殴られるぞ?」
そのとき奈菜美が入ってきた
「何よ、優吾。今、奈菜美がなんとかって、なんの話?」
「あ、いや、Ailes de rêveのボーカルの話」
「.....あぁ、あのカラオケ女?」
「言うねぇ」
「下手くそのくせに伊織とバンド組むなんて犯罪よ!犯罪!」
「じゃあお前、朝比奈と組めば良かったじゃないか」
「最初はそうしたかったけどぉー、今ではみんなと組めて最高!って思ってるよ!」
「ほんとかよ」
「あんなカラオケ女には負けないから」
「よーし、じゃあ、今日も行きますかぁ」
そう言うと、達広はドラムを勢いよく鳴らした
「待って、樹は?樹が来てない」
「あいつならコーヒー買いに行ったぜ」
「そういえばさ、樹の妹、特進だったんだな」
「皐月ちゃん、あぁ、居たなそういえば」
「優吾追いかけてきたんだろ?」
「辞めてくれよ、僕は一度あの子を振ってるんだ。気まずくて仕方ない」
「付き合ってやればいいじゃん、どうせ優吾何人も居るんだからさ、女」
「嫌だよ...あの子、重たいし」
優吾はため息をついた
「あ、そういえばさ、あの子かわいかったよね。朝比奈の妹...」
「ダメだよ、優吾、あの子、加賀美くんの彼女なんだから!」
奈菜美は止めに入った
「加賀美と付き合ってんの?えー、趣味悪いなぁ」
「とにかく、伊織が大切にしてる子だもん。お手つきしちゃダメ!わたしが変な風に見られるでしょ?」
「おまえも、朝比奈に片想いして長いよな。とっとと告白しないから横から取られたんだぜ?」
「もー!うるさいな!樹は?樹はまだなの?」
そのとき樹がやってきた
「樹!もー!どこ行ってたの?練習するわよ」
「なんなんだよ、いきなり、今日はやけに機嫌悪いなぁ」
樹と奈菜美はしばらく言い合いの喧嘩をする
その間、優吾は一人でニヤニヤしていた
「玲蘭ちゃん.....ねぇ.....」
それを達広と涼介が見ていた
「出たよ、優吾の女好き...」
「奈菜美のこと考えたら、触んない方がいい女だと思うんだけどなぁ...」
「まぁ、しーらね」
二人は知らんぷりして練習の準備に取り掛かった
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