第4話

駅に着いて坂を登った先に学校がある





校門には報道陣が数社集まっていた





「あ、奈々だ!」


「本当だ、福田じゃん」


「ペンギン、何やってんだ?」


「TV局の取材受けてるな。世界ジュニア表彰台だもんなぁ、そりゃ報道陣来るわな」




洋一が寂しげに言った




奈々はピースをして報道陣のカメラに応えていた





「近くて遠い人になっちゃったな」



「そんなことないよ。奈々、猿林君からもらったアクセ、毎回演技で付けてるって言ってたよ」



「ありがと。玲蘭ちゃん。励ましてくれて。」




奈々は、玲蘭を見つけると、取材中なのに手を振ってきた





「玲蘭!」



「奈々」




奈々の母が、報道陣に本日はこのへんで、というと、報道陣は機材を片付け始めた





奈々は嬉しそうに近づいてくる。






「みんな、会えて良かった!」



「入学式来れたんだね。忙しそうだから、来れないかと思った」



「うん、一応学校最初くらいは出たいからね。それに、もうすぐシーズンオフになるから、通常練習と筋トレと英会話くらいになるから、その間は学校生活も楽しみたいな」




洋一を見て、奈々は頷いた






「それよりみんな、クラス表、張り出されてるよ」


「嘘、どこにどこに。見なくちゃ」


「スポーツ科と特進は1クラスしかないから、もう、わかっちゃいるけどね」




スポーツ科はG組、特進はA組、BからFが普通科だった



楓とさりなと洋一はE組だった



玲蘭と伊織は特進なのでA組




「あーあ、また、煩い奴らのお守りかよ」




洋一が言うと、さりなと楓が振り返った




「お守りってなんだよ」




「失礼ね!」




3人が騒いでいる間、玲蘭は見守っていた






「賑やかだよね、Ailes de rêveのみんなは。楽しいからいいけど!それより、玲蘭、やるんでしょ?アレ!」








奈々はニヤニヤしながら玲蘭をつつく








玲蘭はため息をついた

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