第11話 2人の女子会
私、間宮 優香は雪と一緒に弁当を食べている。
雪が話があると誘ってきたのだ。
「ねぇ、雪。そろそろ私に話したい内容聞きたいんだけど」
「あ.....あぁ、そうだよね。うん」
なんか少し緊張しているにが気になる。そんなに緊張するほどの話なのか、そう思い少し身構えている。
「あのさ、実は━━━━━」
雪が少し回りくどく言ってきたので要約する。
雪曰く、真波と一緒に文化祭のためにピアノを練習している。だけど真波だけじゃ足りないから手伝って欲しいとのこと......
「面倒くさそうだなぁ」
「そこをなんとか......! 聞くだけでいいから!」
「そうは言われてもねぇ......」
真波と一緒に雪が弾いている曲を聴く。真波がもし、龍希だったらだいぶ話は変わってくるのだが━━━━━
「イマゴロマナミクンガハバヤクンノコトサソッテルカモナノニナァ」
「行く、絶対行く。死んでも行く」
カタコトなのがちょっとアレだが、もし嘘だったら真波を音楽室から叩き落とせばいい。そしてもしその話が本当なら、龍希と距離を縮めるチャンスになる。
......ちなみに、真波との協力関係は真波の方から少し時間をくれと言われた。
まぁ、多分雪が言ってたことが原因なのだろうが。
「ふふ、優香ちゃんってば、本当にわかりやすいね?」
「まっすぐ感情をぶつけることができてすごいって言い直して?」
まっすぐに感情をぶつけるのは、怖い。
だけど、そうすることでどっちに結果が転がろうが楽になるのだ。それでいい。
それはそうと━━━━━
「話ってホントにこれだけ? 他になんか言いたげじゃん」
「......」
(この子、ちょっと黙る癖あるなぁ)
そう思っていると━━━━━━
「その.....さ、間宮ちゃんはグイグイ八葉矢くんに猛アピールしてるけど、他に.....気持ちの伝え方とかってあると思う......?」
「あるでしょ、そんなの」
「そう......かなぁ.....?」
「ところでさ、なんで急にこんなこと聞き出すわけ? 雪、好きな人いないじゃん?」
いや、そんなことないのは何となくわかっている。
雪は少しずつ真波のことを意識している。それは、多分本人も真波もわかっていない。
「いや......気になっただけ!!!」
そう言って雪は顔を赤くする。
怒っているように見えない、きっと恥ずかしさから来るものだろう。
正直になっちゃえよ.....そう思っていると━━━━━━
「......優香ちゃん」
「なに?」
「私......真波くんのこと、好き......かも......」
「......ぷッ」
少し吹き出してしまった。丸わかりのことをあんな顔を赤くして、真剣な顔で言うのだ。面白くて吹き出しちゃうよ。
「真剣に言ったのに......」
「ごめんごめん、分かりやすすぎてさ」
そう言うと、雪はさらに顔を赤くした。
まるで、あの時の「赤い風船」のように......
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