第3話 呼び出しは、突然に......
「あ〜......やべぇ、あれから二日経ってる......」
あの日から一日、そしてまた一日と時間は過ぎていった。
俺は確かにあの日、ピアノをまた弾けるよう手助けをすると言った。
ただ、俺はピアノのことを甘く見すぎていた。
動画サイトでピアノについての動画を見てもさっぱりわからん、調べてみても一つ一つの記号の意味を覚えるのだって難しい。
そもそも、最初は何をすればいいのかすら分からない。
ピアノに慣れる?俺の前で弾けるようにさせる?クラス全員の前でも弾けるようにさせる?
それをどうやってやればいいんだ。
「後先考えずに言いすぎたぁぁぁ......」
そんな感じで後悔していると、俺のスマホに一通の通知が来た。
(龍希のやつ、またゲームしようとか言い出すんだろうな)
そう思いながら、連絡先が龍希しか登録されていないメッセージアプリを開き、メッセージを開いた。
「雪)真波くん、今って暇?」
うん、暇だよ龍希......
ん?「真波くん」???
龍希のやつが「真波くん」と言ったり書いたりするはずがない。
じゃあ誰か?
よく確認すると、そこには何故か、木滝さんの名前が表示されていた。
「海斗)木滝さん?」
「雪)そうだよ」
「海斗)なんで俺の連絡先知ってるんですか?」
「雪)ああ、八葉矢くんに教えてもらったんだ。ついでにクラスの連絡グループにも入ってると思うんだけど......」
そんなバカな......そう思いながらメッセージ表示を確認すると、「2-2」というのがあった。
龍希が俺を招待した、連絡グループの一番上にそのようなことが表示されている。
通知やらがうるさいという理由でクラスの連絡グループだけは絶対に入りたくなかったのに......
龍希は後で制裁を加えるとして、なぜ木滝さんがメッセージを送ってきたのかを疑問に思った......いや、何となくはわかるのだが......
「海斗)俺は暇ですけど、どうかしたんですか?」
「雪)え?一昨日言ったこと、もう忘れた?」
知ってた、やっぱりそうなるよね?うん、終わった。
「〜〜〜♪」
今度は俺のスマホから電話の着信音が鳴り始めた。
俺は恐る恐る通話をONにする。
「あ、もしもし?真波くん?」
当たり前だが、木滝さんの声だった。
「木滝さん、どうも......」
「今暇なんでしょ?だったら、今から学校来て」
「暇ですけど、学校ですか......?」
「うん、私居なかったら音楽室前で待ってて、それじゃ」
ツー ツー ツー.....,
短い通話だったが、詳細を聞かされていないと少し怖いのは俺だけだろうか......?
そう思いながら、準備を終えた俺は自転車のペダルを漕ぎ始めるのだった。
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