これ詰んでね?....
「ここは俺が...」
「いやいや俺が....」
「いやいやいや拙者が...」
「いやいやいやいやここは私が...」
そんな声で教室はあふれかえる
俺はめんどくさくて寝るふりをしていたのだが....
「ねえ」と声をかけられて俺は顔を上げると
「良かったら君が案内してくれないかな」と言われ俺は
「ヤダ」
断った
もし受けた場合俺が嫉妬の視線で見られるのは明らかなのだが....
俺は気づいた。男子たちから受けないとどうなるか分かってるよな?とでも言いたげな視線が向けられていることに
そして俺はつぶやいた
「これ...詰んでね?」
「ここが調理室で....」
「うん」
「ここが更衣室で」
「うんうん」
俺は淡々と説明していく
それにしても...だ
周りからの視線が刺さる
それもそうだ普段空気のようなそんざいが美人転校生に校内を案内しているのだ
ついでに物陰に隠れている男子たちの殺気がこもった視線....
「はぁ....どうしてこうなったんだか」頭を掻きながらつぶやく
チラッと春華の方を見るとニコニコと笑顔を張り付けて俺が動き出すのを待っているかのようだった
「.......」俺が黙って春華の方を見ていると
「?何か問題でもありましたか?」と首をかしげながら聞いてくる
「いや...なんで俺を選んだのかなって」と聞くと
「だって他の人はすこし距離が近すぎて....」
「ふぅん...」
それじゃあ女子に頼めばいいのにと言いかけたがその言葉を飲み込む
「それじゃああともうちょっとで終わるから」と言って俺は残りの案内を早く済ませるために少し早歩きで移動するのだった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます