さよならを言う日

極彩色

春華月詠

本格的に冬が近づいてきたこの日

僕は、君にさよならを言う




教室中が騒がしい何かあったのだろうか

そんなことを考えていると後ろから声をかけられる

「おはよ、瑠衣」

俺が振り向くとそこにいたのは石田修いしだしゅうだった

「おはよ。てかさ今日なんかあんの?」

そう聞くと修はまじかコイツ...という風に俺を見てくる

「いや、お前しらねえの!?今日転校生が来るらしいんだよ!それも美人の!」そう言ってくる修に俺は一言

「後ろ」

そういうと修は何かを察したような表情をしておそるおそる振り向くとそこには....

「あっ...おはよう奈々....」

「どうも!」

そこには修の幼馴染....もとい彼女の伊瀬奈々いせななが腕組みをしながらあきれた表情を修に向けていた


そして何かを思いついたのか奈々は俺に「ちょっと修借りるわね?」と言って奈々は修の襟元を掴む

「えっいやちょ...瑠衣....助け...」修は俺に助けを求めてくる

俺は助けようとはしたが後の奈々が怖かったので無視を決め込むことにするのだった




そうして数分経ち見るからにやつれた修と笑顔の奈々が戻ってきたタイミングで教室に先生が入ってくる

「ほら、お前ら分かってるとは思うが転校生を紹介する」と先生は前置きして入って来いというと静かに教室のドアが開く

そうして転校生があらわれたのだが...

「確かに美人だな」

思わずそうつぶやいてしまうほどの美人だった

転校生は黒板の前まで歩いた後チョークを持ち自身の名前を書き始めていく

そうして書き終わった転校生は前を向きなおし一礼した後

春華月詠しゅんかつくよみと申します。これからしばらくの間お世話になるのでよろしくお願いします」と言う

その姿はどこかの貴族かと見間違えるほどに一つ一つの所作に品を醸し出していた

それを周りの連中も感じ取ったのか男たちも大声を上げることなく女子たちと同じように静かに拍手をしていた

先生はその様子を見たあと教壇に置いていた荷物を持ち「私はまだやらなきゃいけないことあっから誰か校内案内しといてくれ」と言って教室を出て行ってしまった

そして、転校生...春華月詠の案内役をめぐる戦争が切るのだった

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