第8話

私は、慌てて玄関に行く。


相手の方とご両親に挨拶をする。


思わず、顔を見ずに挨拶をしてしまった。


後で母さんに言われるんだろうな。




私は、挨拶をした後母さんに呼ばれた。


相手の方は、使用人が開場の畳部屋へ案内をしておいてくれた。


母さんが私にこう言ってきた。


「琴葉、あなたきちんと相手の方の顔を見ないと失礼でしょう?」


「すいませんでした。母さん」


「わかればいいのよ」



私は、相手の方が待つ畳の部屋へと行く。


お見合いが始まると、相手のお義母様と母さんが楽しく話をしている。


私の幼い頃の話や、相手さんお話‥‥‥。


ああ、早く終わらないかなぁ,,,,


そう思っていると、相手の人が


「あの、琴葉さん。少しお庭に行きませんか?」


「ああ,,,,,,」


「いいんじゃないかしら?せっかく、葛馬さんが誘ってくれているんだから!行ってらっしゃい」


「はい‥‥‥‥‥」


今、”葛馬かずま”さんって言った?


そう、彼の名前は、津島葛馬つしまかずま


津島グループの跡取り息子の1人だ。


柏樹先輩と同じ名前だった。


”葛馬”。思わずそう言いたくなってしまう。

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