第3話

彼のことは、あまり知らない。


というか、知ろうなんて思ってなかった。


廊下や、登下校のときにたまたま顔が見れればいい。そう思っていた。


だから、そこで終わった。


片思いで良かったんだって思ってる。


けど、思い出すたびに抑えきれなくなりそうのなったこともあった。


無理やり抑えていたけど。


そんなこんなで、初恋の先輩は卒業していった。




私は、彼のことを今まで引きずって生きてきた。


だから、誰かに好意を持たれても、彼と比べてしまい、


今まで一回も恋愛なんてしなかった。



基本的に私の親は、好きな人と結べれてほしいという考えの人達だ。


実際に、二人もお互いが好きで結婚している。


母も父も、私に恋愛をしていいと言ってくれる。


けれど、初恋を引きずっている私は


いつまでもそんな気にはなれなかった。

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