第36話

何なのだろうかこの気持は、胸が熱い。

それに、だんだん腹が立ってきた。

涙も止まらない。


私は、何がなんだかわからず

その場に座り込んだまま泣き続けた。

私が泣き続けている間、

鬼塚はそばで泣き止むまで抱きしめてくれていた。




気づくと自分の部屋に居た。

いつの間にか寝ていたらしい。

頭が痛い。


そう思いながら横を見ると、

涙目で私の手を握りしめながら

床に座り込んで眠っている鬼塚が居た。


会社に行く準備をしなくちゃ,,,,,

そう思いながら、立ち上がろうとした時だった。

足がふらついて転んだ,,,,と思ったら、鬼塚が私の背中を支えていた。



「だっ、大丈夫?」


「えっ‥‥‥えぇ。大丈夫よ」


「それより、もしかしてあなたが運んでくれたの?」


「あっ、うん。勝手に入っちゃいけないことはわかっていたんだけど

                    心配だったから,,,,,,,,,,,,,,」



本当にこんなやつが黒竜印級のターゲットなのだろうか?


時々、鬼塚コイツがターゲットだということを忘れそうになる。

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