想い
第32話
「仕事始めなくていいんですか?」
「ああ、じゃあ始めようか」
私達は、何事もなかったようにいつもどおりのことをして一日が終わった。
いや、一つだけ血がかったことがある。
それは、鬼塚が仕事を始めてからほとんど席を離れなかったということだ。
「そろそろ、私は上がりますね」
私は、そう言ってカバンを取り出す。
「きをつけろよ」
そう言いながら、まだ鬼塚はパソコンを使っていた。
「鬼塚さん」
「何だ?」
「熱でもありますか?」
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