第31話

「鬼塚、起きてますよね」


「‥‥‥‥‥」


「はぁ、鬼塚さん!起きてください!」


「んぅぅ、えっ‥‥‥蒼葉なんでいるの?」



本気の寝言だったみたいだ。

なんか、少し残念だった。



「殺しに来たんです。私の仕事はそれだけなので」


「昨日のことは,,,,」


「もう怒ってませんけど?」


「もうその事はいいですので」


「本当に?」


「はい」


「良かったぁ」


「?」


「てっきりもう、二度とこないかと思った」



鬼塚は、力が抜けたような笑みを浮かべた。



「安心してください。私は、あなたに言われなくてもどこにも行きませんよ?」


「えっ‥‥‥‥」


「寝言で言ってましたよ。『どこにも行かないで』って」


「嘘でしょ,,,,」



鬼塚は、顔を真っ赤にして放心状態になっていた。

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