第30話
鬼塚は、眠っていた。
それもやつれた表情をして、眉間にシワをお寄せながら。
居るのは全く不思議ではないのだが
めったにこの部屋に居ないので私は、結構驚いた。
「鬼塚さん!起きてください!」
全く起きない,,,,
はぁ、なんで起きないのこの生き物は,,,
「灑華,,,ごめん」
「えっ,,,,」
思わず声が出てしまった。
謝るという感情を母親のお腹の中に置いてきたと
言っていた鬼塚が寝言だが『ごめん』と言ったのだ。
「いつも、迷惑かけて,,,,ごめん」
寝言だとしても誤ってもらえたのは嬉しかった。
けれど、なんというかまるで_____
「どこにも行かないで,,,,,,,,?」
バカップルが喧嘩したときの彼氏が寝言で言ってた
というようなありきたりなシチュエーションに少しだけゾッとした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます