第29話

何故か無性に殺したくなってきた。

個の顔を見ているだけで殺意が芽生えてくる。


今まで以上に殺意が鬼塚アイツに対して向けられていた。


殺したい殺したい殺したい



多分このときは、悲しそうな顔をした理由も

自分が熱を出しているということも、

そもそも、私は、鬼塚アイツを殺すために

鬼塚に近づいたことも忘れていたと思う。



ただ単純に殺したかったのだ_____。








目が覚めるとそこは、真っ白な天井だった。

真っ白でなにもない。

『まるで自分の心みたいだ』ぐらいに思いはしたけど、

後から心の中で撤回した。

私の心は全く白くない、ましてや真っ黒だ。


理由はたくさんありすぎてすべてを絞り出すのは大変だ。




そんなことを思いながら、起き上がり

会社へ行くための服に着替える。


朝食を軽く取ったら、会社に行くために靴を履き玄関を出る。



いつもどおりのことをして会社に行く。



私は、会社へに道をたどりながら考えていた。


もし、今日会社に行って鬼塚アイツがまた

悲しそうな顔をしていたらどう反応しよう。

もう、いっそのことその場で殺してしまおうか、

でも、昼間だしもしバレたら大変なことになる。


それはそれでまずい。

それは、避けよう。

じゃあ、いつもどおり振る舞うか。

それならできそうだ。



そんなことを思いながら職場へと行く。


朝早いせいか、見事に誰も居ない。

居るのは、カウンターのお姉さんたち,私

処して警備員と清掃員ぐらい。



心の中で『お疲れ様です』と言いながら職場に入る。


そこには、いつもなら居ないはずの鬼塚が居た。

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