第22話

私は、仕事と鬼塚を運んだときの疲れがどっと押し寄せたのか

そのまま寝てしまった。






起きると、そこには鬼塚の整った顔があった。


そういえば何時だろう。

スマホを取り出し、時計を見る。

そこには、午前7:45と表示されていた。


もう帰ろうかな。そう思い立ち上がると腕を思いっきり掴まれた。

そこには、まだ大著が優れていない鬼塚が居た。



「お前,,もしかしてずっと此処に居たのか?」


「そうだけど何?」


「危機感無さ過ぎるだろ,,,,,,一応俺男なんだけど」


「じゃあ、もうそばに居てやんない。

 せっかく人そばに居てやったていうのに」


「だから、もう私帰るね?バイバーイ!」


満面の笑みで言う。

そのまま立ち去ろうとした。

すると突然、鬼塚が抱き寄せてきた。



「ゴメ,,,ン。冗談だから。悪い,,,,んだけどさ、 

なんか作ってくれない?腹,,,減ったから,,,,,,」


ああ、そういうことね?

わかりましたよ、作りますから!

さっさと離して!



「‥‥‥‥‥もう、わかったから離してくれない?

ご飯もちゃんと作ってあげるから、あと、体温測っておいて。いい?」


「分かった。ちゃんと,,,,測るから、体温,,,,,マジで,,,ありがとう」


「どいたまして!」




私は、鬼塚をベッドに戻してキッチンへと行く。

鬼塚の家のキッチンは、全く使ってないのではないかと思うほどきれいだ。

この綺麗さが羨ましい。

家の組の台所は、壁とか真っ黒になってたからなぁ。


私は、いかにも高級なキッチンで雑炊ぞうすいを作る。

どうせなら、人参とかも入れるか,,後は、グリーンピースとかもいいかもしれない


あっ、アレルギーとか聞くの忘れてた。

好き嫌いは、しないでもらおう。


私は、まだ切っていない人参を置いて、鬼塚の元へ行く。



「おーい、あのさぁ、アレルギーとかってある?」


「アレルギー,,,,?ああ、俺には,,,,,無いけど,,」


「ああほんと?ならいいわ。じゃあ、安静にしててね」



私は、なにか言いたげな鬼塚を無視してキッチンに戻る。


人参は、星にするか。


私は、幼い頃から手先が器用だった。

手先が器用だったおかげか、

殺しも、料理も、手芸も得意だった。

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