第12話

「そうね。まずは、私と龍介の関係・ ・を簡単に言うと、元婚約者なのよ。龍介は、女癖が超がつくほど悪いの。だから別れたのだけど,,,」


「最近聞いた話では、3股かけて1人孕ましちゃったらしいのよ。それで、孕まされた子は私の元部下だった。で、流石にこれ以上他の子に犠牲になってほしくないと思って殺してほしいてこと」


それを最初に聞いて、思ったことと思えば

そんなことで殺すの?というか、黒竜印と言われるほどのことなのか?

とまで思った。が、その後の言葉を聞いてからそんな思いを捨てた。


「龍介は、元だけど殺し屋をしていたらしいわ‥‥‥

いえ、らしいじゃなくて断言する。彼は、”元殺し屋”よ」


「彼はどのくらいのレベルだったんですか?」


「多分あなたなら知っているかもしれないけど、”狂狼きょうろう”と言われていた」


「あの、”狂狼きょうろう”ですか?」


「ええ、私も一度だけ実は、彼が人を殺しているところを見てしまったの」


殺しているところを見た人にしては、すごく明るい口調だと思ったが特に気にしなかった。


狂狼きょうろう”とは、私のレベルのもととなった人物。

みんな殺し屋には、《レベル》と呼ばれる名前がつけられていた。

そのレベルの中でも一番トップに君臨するのが”狂狼きょうろう

私の、”狂犬きょうけん”は、”狂狼きょうろうの次に当たる。


そんな”狂狼きょうろう”のレベルを持つものは、めったに現れない。

けれど、今回依頼で”狂狼”を”狂犬”が殺すことになった。

これなら、黒竜印の案件とみなされてもおかしくない。

これなら明らかに死ぬことになる。

私は、恐ろしさのあまり息を呑んだ。


一方、隣で話を聞いていた虎汰朗は、今にも白那を殺しそうな目をしていた。

怒りで満ちている顔だった。


「つまりは、社会的にも抹殺したいとのことでしょうか?」


「ええ、そうなるわね。お願いできるわよね?」


白那は、無意識か否か圧をかけてきた。


「いつから行動し始めるのが良いでしょうか。白那」


「うふ。もちろん今日からよ」


「きょ、、今日ですか?でも何をしろと?」


「たしかあなた、変装の達人とも言われていたわよね?今日から、あなたに鬼塚建設の副社長の秘書として会社に潜入調査をしてもらうわ」


「つまり、鬼塚龍介の秘書として会社に潜入するのでしょうか」


「そうよ♡大丈夫!可愛い服を用意してるから♡」


そういう問題じゃないのでは___________?

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