第7話
そんな事を考えているうちに、
気がついたら時計の針は、
10:45になっていた。
もう戻ろっかな。
明日起きれなくなっても困るし、
清々しい顔でこの家に『行ってきます』って言いたい。
もう寝ようと思って、
台所を出ようとしたときだった。
広間の方から声がした。
親父と,,,,,虎汰朗の声だった。
「おい、親父。ほんとにいいのかよ」
「灑華の話か。もうこれは仕方がないことなんだ」
「いつも、いっつも、そう言って姉貴に殺らせてたのは
本当の娘じゃねえからか?」
えっ,,,,,,虎汰朗は知らないはずなんじゃ
「なんのことだか。灑華は、お前の実の姉で俺の実の娘だ」
「さっき、師弟たちが話しているのを聞いちまったんだよ。
姉貴は、親に売られて家に来た。親父とお袋は、姉貴を養子にとったて、
それに、次期ボスは、姉貴にすることになってたんだろ?」
「,,,,,,,,そうだ」
私は、虎汰朗が事実を言い過ぎて
嫌われるんじゃないかとか、もう、帰ってこれないんじゃないかとか
怖くなってしまった。
もう、私からきちんと言おうその時、その場でそう思った。
「虎汰朗、」
私は、親父と虎汰朗の前に出た。
「姉貴,,,,,,まさか今の聞いてたのか?」
「全く、気配に気づかないとは,,,ほんとあなたバカね」
「親父は気づいていていたみたいよ?」
「ほんとか、親父」
「ああ、だから言うのをやめようと思ったんだ」
そんな、優しい親父と離れてしまうと思うと胸が苦しくなる。
こんな二人を抱きしめたい、そう思ったが
そっとブレーキを掛けた。
「私の口から言う。まずソファに座って」
私は、それから事細かに虎汰朗に全て話し尽くした。
私は、親に売られたということ。
実の姉でも、娘でもないこと。
私の
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