第28話それぞれの明日へⅢ エピローグ
「月歌、良く頑張ったわね、別れは辛いでしょう?」と奏が言うと月歌の何かが切れたのか月歌は奏に抱きつきながら「はい、私頑張りました。恵一君と本当はまだ一緒に過ごしたかった。せっかくまた逢えたのに……」と次々と月歌は語っていった。「でも最後に恵一君は言ってくれたんです。いつも通りの笑顔で、いつも通りの言葉で。その言葉に私は救われたんです。」と月歌は今にも崩れそうな笑顔で「だからもう逝きます。奏さん、名無しさん本当にありがとうございました。これで明日に向かうことができます。」と言うと「いってらっしゃい月歌」と俺と奏が言うと月歌は「いってきます。」と言って去ったのだった。
「随分長かったね、もう良いのかい?」と月歌のお父さんが車の中で聞くと俺は「はい、俺も月歌に逢えたそんな気がするんです。例えそれが夢だったとしても最後にずっとためてきたこの想いを告げられたので俺も違う新しい明日に向かいたいなとそう想えたのでもう大丈夫です。」と言うと「そうかいそれは良かった。恵一君の家に着いたぞ。 恵一君も月歌に逢えたのか。ならこれで私達の止まっていた時が動き出すな。これでお別れだ恵一君。今まで月歌を支えてくれてありがとう。月歌と一緒に居てくれて本当にありがとう。君と居たこの一時は楽しかった。それじゃあ、また逢う日まで。」と言いながら月歌のお父さんは車に乗り、俺の家を去った。一人残された俺は家に入るのだった。
月歌が去り俺と奏は立ち尽くしていると奏が口を開いた。「名無し、それじゃあ私達も行くわよ。」と奏が言うと「そうだな、俺たちも明日に行くか。」と言うと「戻っても仕事よ。」と言うので「そうだな。」と俺が言うと奏は「次元飛躍」と唱えるのだった。
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