第15話 未練だけがそこに居るⅤ エピローグ
「両親が私に置き手紙ですか?」と失人が言うと奏は「そうよ、書いてる時期はもちろん違うけど読む?」と奏が聞くと「はい、読みます」と失人は答えた。
「今名無しが取りに行ってるから少し待ってて」と言うと「お待たせ、これ君の両親の手紙だ。こっちが君のお母さんで、右が君のお父さんだよ。好きな方から読みな」と失人に渡した。
「"しんと"へ お父さんや"しんと"より先にあの世に逝ってしまってごめんね。本当はもっと"しんと"の成長するところ見たかったよ。 こっちにきてからあまり時間が残されて居なくてお父さんや"しんと"を見守る時間がなくて頑張ってる姿が見れなくてごめんね。 最後に貴方を産めてそして貴方と過ごした少ないくて儚い時間は私の一番の宝物よ。私と出逢ってくれてありがとう。 母より。」と書かれてあった。 すでに失人の顔には涙が零れていた。「失人、お父さんの手紙は明日読むか?」と聞いたら「いや父の手紙も今日ここで読みます。」とこたえてくれた。
「"しんと"へ お母さんが亡くなってから私と二人で家事を交代交代で辛くても愚痴一つも言わないで一緒に生活してくれてありがとう。 今思うと愚痴の一つや二つ聞けない親なんて親失格だよな、本当にすまなかった。今更親面は出来ないが"しんと"お前と酒を飲むのが夢だった。あの日私が流された時お前と喧嘩して別れたのが心残りだった。 些細なことで喧嘩してしまったと未熟な私を許して欲しい。 最後に"しんと"離れていても例え生きる世界が違っても私達親子は心が繋がっている。お前と過ごした日々とても楽しかった。長生きしろよ。 父より。」と書かれていた。「失人大丈夫か?」と聞くと「はい。なんとか大丈夫です。」と失人は力強く言った。
う変えなさい。"しんと"貴方は次の生に行く前に自分の名前を「信斗」って名乗りなさい。そんな失う人と書いて"しんと"と名乗るより、人を信じることが出来る子なんだから"しんと"はこれから信斗よそれで良いじゃない?」と奏が言うと失人は「はい、"しんと"人を信じるで信斗親からの"しんと"と奏さんからの信斗、自分の名前に誇りが持てるそんなきがします。」と言った。
「どうする信斗? まだ居る? それとももう次の生に逝く? これは最後に貴方が選びなさい。」と奏が言うと信斗は「もう今日このまんま次の生に逝きます。ここで新しい名前と想いを知れたのでもうやり残したことはありません。」と万円の笑みで信斗は答えた。「そうなら、次の生に逝きなさい。"しんと"はもう一人で大丈夫。今の最小限の悔いな状態で逝きなさい」と奏は優しく言った。
「名無しさん、奏さん二人のおかげで次に進めることが出来ます。止まっていた時計の針がやっと動くそんな気がします。本当にありがとうございました!」としんとは消えて逝った。
「奏大丈夫か?」と聞くと「大丈夫な分けないでしょ」と泣いてこっちを見たので「きっとしんとなら大丈夫だ」と俺が言うと奏も「ええ、きっと次の生はとても良いものになるでしょう。」と言いながら俺と奏はその場所を後にした。
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