第13話 未練だけがそこに居るⅢ

「それは辛かったわね。失人貴方まだ子供でしょ、幼いのによく今まで頑張ったわね。」と奏が失人を優しく抱きしめながら言うと失人の顔には涙がおちていた。「はい、今まで頑張ってきたんです。弱いところを見せちゃ駄目だと思って父も頑張っているのだからと毎日自分を言い聞かせてそれでも誰かに頼りたくて。でも頼れなかったんです。周りに迷惑かけたくないから必死に毎日足掻いてきたんです。」と失人は泣きながら言いその姿はまるで母親の胸の中で安心する一人の子供の姿だった。

「今日はもう休んで。よく過去を言ってくれたね。だからもう今日は私の所でお休み」と奏が言うと失人は奏の膝の上で一眠りするのだった。


「起きた?」と奏が優しく失人のを肩をトントンと叩きながら失人は我に返ったのか「すみません。私とんだ無礼を働いてしまい」と申し訳なさそうに奏の膝からどいた。

「別良いわよ、失人貴方が寝ている間に色々と調べさせてもらったわよ。それを踏まえて失人貴方はこれからどうしたい?」と奏が聞くと「私はまだ分かりません。でも過去を話せてとても楽になりました。」と言った。「そう、それは良かったわ」と奏も言葉を返した。


「失人貴方の過去を調べてみて貴方が言った死ぬ間際に一人の子を庇ったって言ってたけどあの子死んでないわよ」と奏が言うと「それなら良かったです。こんな私でも人を護ることができて救うことができて本当に良かった。」と小さく失人は喜んだ。

「あと失人貴方の両親こっちにきてたか確認したら二人とも次の生に行く前に置き手紙こ残していたわよ。」と奏が言った。


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