第12話 未練だけがそこに居るⅡ

「ここならゆっくり話せるわよ。」と奏が言うと「はい、ありがとうございます。」と失人は言った。「早速だけどお話を聞かせてちょうだい。」と奏が言うので俺が「奏まだ自己紹介してないだろ。」と言うと奏が「ああ、忘れてた。私は奏こっちは名無しよ」と言うと「ご丁寧にありがとうございます。」と言った。


「私の人生は良いところのない、幸せとは到底言えないそんな人生でした。」と失人は語り出した。


「私はごく普通の家庭に生まれました。両親に"「しんと」"と名付けられ、幼い頃からスポーツをしていたんです。毎週母親と二人でクラブチームの場所に行っていたんです。そんなある日いつも通りに歩いていんたんです。そうしたら車き猛スピードで歩道に乗り上げそのまま私達を跳ねました。 幸い私は母が守ってくれたので骨折だけですみました。でも母は意識不明の重大で病院に着いた次の日に亡くなりました。そこからです私の人生の道が狂い始めたんです。 退院後いつも通りの生活が出来なくなってきたんです。いつも家事をやってくれる母が居ないので家事は私と父が交代交代で何とか生活をしていました。それから十年が経ちました。

母が居なくても十分二人でやってけるそんな気がしていたんです。でも気がしていただけだったです。ある日父と喧嘩をしてしまったんです。喧嘩の原因は些細なことでした。私が学校から帰宅して疲労が溜まっていて寝てしまいました。その時はちょうど父も忙しく日々のストレスでそこから喧嘩になってしまったんです。そんな日々が続いて。ある日父の忙しかった仕事に目処が立つと知り合いに聞いたので次の日の夜父の好物を作ろうと買い物に出て準備が整ったそう思ったつかの間次の日になり朝別々に家を出たんです。忘れもしません午後二時半に大地震がきたんです。地震で建物が倒れたり学校の物や壁なんかも壊れたりでも私は先生の指示で何とか避難することができたんです。でも直ぐに津波がやってきました。避難した場所から家や学校が流されるのを見ました。それから父が無事か気になり急いで父の身元を確認しました。でも知り合いから父の職場が流され父も私の元から居なくなりました。私の傍で大切な人が次々居なくなって何一人守ることが出来ませんでした。

だから私は失人と自分の名前をそう思うようになりました。父と母が亡くなりある私も事故にあいました。飲酒をしたドライバーが横断歩道に信号無視で突っ込んで来たので横断歩道には小さい子が歩いていたんです。咄嗟にその子を庇いました。でもその子を庇いながら車に飛ばされて、そのまま私の意識は無くなりました。まあ守れなかったと思いながら気がついたらこの白い何もない世界に居ましたそれが今までの過去です。」と失人は言った。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る