第7話 迷う魂、進む人Ⅲ
「死なないで……お願い…」と誰かの温かい声がした。でもその声はどこか寂しそうなそんな声だった。
「起きた? よく寝てたわよ」と先程奏と名乗った少女が言うと「もう大丈夫か?少しは落ち着いたか?」と名無しと名乗った人の声もした。「ええ、少しは楽になりました。でも夢の中で誰かに死なないでと言われたんです。そんなこと言う人なんて居なかったから誰の声かも分からないんです。」と俺たちに言うと奏は「そうね、夢は咲夜貴方の世界よ。たがらそれは夢じゃない。その人の事を知ればまだ生きたいと思えるんじゃない? 咲夜はまだ独りじゃないわよ。」と奏が言い咲夜は「そうなんですかね? もしその人に出逢えれば変れますかね?」と奏の方を見て「知らないわよ。でも咲夜の人生なの貴方がもしその人に裏切られても私と名無しが居るだから三人でその人を探してみようね」と奏は咲夜の肩に手をそっと置き言った。「なら探してみます。裏切られようが私の人生だから好きに最後まで足掻いてみます。」と咲夜はこの日出逢って笑顔を見せた。
「行くわよ。名無し、咲夜準備は言い?」と聞くので俺達は「ああ、」と返事をした。「次元飛躍」と奏は唱えた。また光だし、その光は俺達を包んだ。
「ここは?」と聞くと「咲夜の過去よ。過去からその人探すのよ。」と奏が言うと「ここは私が虐められる前の教室よ」と咲夜が言うと「なら今から始まるのか悲劇か?」と聞くと「ええ、始めは些細なことでした。 私が消しゴムを落としたんです。その時クラスのリーダー格の女子の好きな男子が偶然私の消しゴムを拾ってくれたんです。そこから虐めが始まりました。」と咲夜がたんたんと喋っていき、「もう良いよ。辛ければこの後の話しはしなくても。」と俺が言うと咲夜は「いえ大丈夫です。皆さんにお話します。ある日そのリーダー格に呼び出され、「私の好きな人を奪おうとしたわね」と言われて私は身に覚えがないです。と言うとリーダー格の女子が「ならもう二度とあの人に近寄らないでくれる?」と言ったので私は「はい」と答えただけなのにそのリーダー格が「あんた無性に腹が立つんだけど一発殴るわよ」と言われて襲いかかってきたので私は柔道をしていたのでそのまま捻り投げたらその一部始終を撮られていて担任にも違うと言ったんですけど、聞く耳を持たなくてそれで私は一方的にやられていました。それが今から始まります。」と咲夜が言うと確かにそれは酷く醜い虐めの現場だった。
虐めの主犯達が立ち去ると咲夜の元にある少女がやって来た。「咲夜、あの人は誰?」と聞くと「葵よ。私が辛い時にいつも相談にのってくれたり、虐められても励ましてくれたけど虐めがどんどんエスカレートするようになって会う機会も減ったし、私を見捨てて他県に行っちゃったしでだから葵は裏切り者よ」と悲しい顔で咲夜が言うと奏が「ならその葵さんの所に行くわよ。今上に報告したらその葵さんって子最近様子が変だからこっちで少し話題になったからもしかしたら何かあるかもしれないわね。」と奏が言うと咲夜は「様子が変か」と言うと「咲夜口調が何か変わってないか?」と俺が聞くと「こっちの方が喋りやすいんです。柔道やってるって言いましたよね集中とかするとこうゆう風な口調になっちゃうんです。」と言うので「なるほど、咲夜の好きな方にすれば良いと思うよ。」と言うと「ありがとうございます」と咲夜が言い、すると奏が「あんた達良い? 葵の過去を見たら次は葵に会いに行くわよ」と言うと「次元飛躍」とまた唱えた。
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