第14話:またまた向こうからやって来たやつら。

隼人君とワインの中が少しヤバそうな雰囲気の中、隼人君の部屋のドアを

叩く人があった。

その日は大学が休みでワインにナンパを見つかってから隼人君はどこにも

行かずに家にいた。


「はいはい・・・誰?」


ドアを開けると、スモックを着た幼稚園児みたいな子供が立っていた。

よく見ると幼稚園児の肩の上に大きさはネズミくらいの猫みたい生き物も

乗っかっていた。


すると訪れた幼稚園児を見たワインが言った。


「ん?セバスチャンじゃない・・・なにその格好・・・」


その男はセバスチャンと言うらしい。

ほんとに一見すると幼稚園児みたいだった。

頭はツルツル坊主で一部だけ少ない毛がキューピーさんみたいに頭のてっぺんに生えていた。

まさにキューピーそのものだった。


「ワイン様・・・お久しぶり・・・」


「ワ・ワイン様?」


「ワイン・・・この、幼稚園児みたいな子・・・誰?

「うちのお母さんの召使い兼私の教育係・・・」


「こ、子どもが?」


「違うの・・・普段のセバスチャンは身長3メートルにデブッチョのおじさん

だよ・・・」


「あの境界線を抜ける時、元の体じゃ抜けられないと思って小さくなったん

です・・」

「そしたら元に戻れなくなって・・・」


「なんでよ・・・」


「それがね、元に戻る呪文忘れちゃって・・・」


「なんで忘れるの・・・」


「最近、若年性アルツハイマーとかってのになって物忘れがヤバいんですよ」

「だから、当分このままだと思います・・・」


「じゃあ、しかたないわね・・・」

「それはそれとしてセバスチャン、こっち私がお世話になってる隼人」


「どうも〜隼人さんはじめまして・・・私、セバスチャンと申します」


「あ、ご丁寧に・・・」


「ワインはセバスチャンのこともそうだけど、彼のが肩の上に乗っている

猫みたいな生き物がさっきから気になっていた」


「パーシモンも来たんだ」


ワインがパーシモンと呼んだその生き物はワインが言うには妖精らしい。

パーシモンの体毛はオレンジ色、目玉が大きくて柿の木に宿る妖精らしい。


ワインはパーシモンをペットとして可愛がってたらしい。


「ところでセバスチャン、なにしに来たの?」


「ワイン様をお迎えに来ました」

「お母様が、ご心配なさってます・・・」


「あ〜やっぱりね・・・でも私帰らないから」

「こっちで好きな人、できたし・・・」


「おやおや・・・それはまた」


「こっちのほうが楽しいよ」

「セバスチャンもせっかく来たんだから、しばらくこっちにいたら?」


「おいおい、こんな狭い部屋に四人で住もうってか?」


「セバスチャンが小さくてよかったかも・・・元のサイズなら部屋に

入れなかったから・・・」


幼稚園児みたいなセバスチャンは偉そうにうなずいた。


「私も大きくなれるよ」


そう言うとパーシモンがデカくなった・・・天井が破れるかと思うくらい。


隼人はびっくりした。

小さいおじさんに、デカくなる猫って・・・。


(なんだこいつら・・・)


ワインとのことで気分がナーバスになってるっていうのに・・・また余分が

増えるのかよ。


つづく。


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