第11話:蛇の生殺し。
「え〜なんでダメなの?」
「隼人のこと、愛してるけど・・エッチはまた別・・・」
「なんでよ、気持ちと体はシンクロしてるでしょ」
「恋人同士ってお互い認めても、だからってエッチは違うからね」
隼人君はため息をついた・・・。
隼人君の中では気持ちはとっくにエクスタシーに走っていただけにワインの拒否はショックだった。
「じゃ〜いいよ・・・俺は俺で適当に遊ぶから」
「ダメだよ・・・浮気は許さないからね」
「もし他の女に手を出したら黒焦げだからね」
「勘弁しろよ・・・エッチはさせない・・・けど他の女はダメって」
「そんなのあるかよ・・・」
「俺もう寝る・・・」
そう言って、隼人君はワインをほったらかして晩飯も食わず悶々としながらベッドに転がってしまった。
「んもう・・・私も一緒に寝るから」
「そんなにくっつかれると余計興奮するだろ・・・」
「男の本能をちっとも分かってないな・・・」
「させてくれないんなら俺から離れてくれない?・・・」
「冷たい人・・・」
「本当にエッチさせてあげないよ」
「させてくれる気ないくせに・・・」
「だって、私まだ老けたくないもん」
「そうですか・・・そりゃそうだよな、じゃあ一生、処女でいればいいだろ」
「なんでそんな言い方するの?」
「俺の気持ちにもなってみろよ・・・俺のことを愛してるって言った子が、
そばにいるのに・・・なのに老けるのが嫌だからエッチはさせないって・・そんなの聞いたことないよ・・・そう言うの蛇の生殺しって言うんだよ・・・」
「だから〜・・・」
「干からびたくないんだろ?・・・ばああになりたくないんだろ?」
「隼人のこと愛してるけど・・・出会ったばかりだし・・・今はまだちょっと
早いと思うから・・・そのうちにね」
「そのうちって、いつだよ」
「あのさ、レスって知ってる?」
「レス・・・って何?」
「セックスレスだよ・・・言葉通りセックスしなくなったカップルや夫婦の
ことだよ」
「そういう人たちでも最初はエッチしてたんだぞ」
「俺たち、何もしないうちにレスかよ・・・」
「だからそのうちって言ってるじゃん」
「・・・・・・」
「ねえ・・・怒ってる?」
「怒ってないけど・・・なんか・・・消化不良って言うか納得行かないんだよな」
「そんなにしたいの私と・・・」
「そんなの決まってるだろ」
「エッチするって言うかさ・・・俺はワインが欲しいの・・・愛しい人を抱きたい
って気持ち分かるだろ?」
「お互いの愛を確かめたいの・・・それだけだよ」
それからも隼人君はあの手この手でワインとなんとかエッチに持ち込めないかと、
なだめたりスカしたり、いろいろ手をつくしたがワインは首を縦に振らなかった。
隼人君は、こうなったらワインとエッチするまで絶対諦めないぞって誓った。
そうだ諦めたら負けだぞ・・・がんばれ隼人。
つづく。
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