第10話:お互いの想い。
「え?ワイン・・・大学まで来たのか?」
「暇だったからね・・・」
「で?俺がイチャイチャしてたって?」
「そうだよ・・・」
「って言うかさ・・・なんでワインがそんなにムキになるわけ?」
「おかしいだろ・・・俺のプライベートなことはワインには関係ないだろ・・・
ワインの彼氏じゃないんだからさ 」
「ひどいね隼人・・・最初に会った時から私に片思いだって言ったじゃん・・・
あれは嘘なの? 」
「私をここに止めておきたくて、あんなこと言ったの?」
「そうじゃないけど・・・ワインのこと好きになったのは本当だよ・・・
片想いってもの・・・ 」
「でも、ワインは俺のこと、なんとも思ってないんだろ?」
「だから絶対俺の片想いだって思うだろ?」
「片想いのまま終わりたくないって言ったのはウソじゃないよ」
「はっきり言うけど俺はワインが好きだ・・・初めてあった時から俺は君に
夢中だよ・・・」
「だけど、それってその気持ちって叶わないと虚しいだけだろ?」
「君はいずれ異世界に帰っちゃうんだしな・・・」
「いくら想っても、いくら好きになっても愛しても届かなって辛すぎるよ・・・」
ワインは何も言わず隼人君のところに駆け寄って抱きついた。
「え?・・・なに?」
「ごめんね、隼人・・・」
「私も・・・ほんとは隼人のこと好きだよ・・・」
「今日、大学でそのことに気づいたの・・・」
「ごめんね、ヤキモチなんか焼いて・・・」
「片想いのまま終わりたくないって言った隼人の気持ちよく分かるよ」
「ワイン・・・」
隼人君はワインを引き寄せて彼女のクチビルにキスした。
「大学にだって女子はいるよ、彼女たちと仲良くするのは、それは友達としての
コミュだよ」
「俺は他の女子と話もしちゃいけないのか?」
「一生、他の女子と仲良くしちゃいけないのかな?」
「そんなことない・・・でも、私だけ見ててほしい・・・矛盾してるけど」
「わがままだってことは分かってる・・・でも理屈じゃないんだよ」
「俺は最初っからワインをと見てるよ・・・俺にとってワインは他の女子とは
違うから・・・」
「ちゃんと見てるから・・・」
ワインは隼人君の胸の中で泣いた。
心の中で嬉しい気持ちと切ない気持ちが錯綜していた。
はじめて体験する、とても新鮮で複雑な気持ち・・・。
これでよかったのかって思いと隼人君に悪いことをしたって思いと隼人君に想いを
伝えられたって安堵感と・・・いろいろ入り混じっていた。
ワインのヤキモチから、こんなことになるなんてね。
で、結局ふたりはその夜は・・・どうなったんでしょう〜。
すっげえ、いい雰囲気だったんだけど・・・。
当然、二人は結ばれたって思いますよね。
でもワインは隼人君がワインとエッチしたいって気持ちを拒否したんです。
普通なら、この流れで行くと・・・自然の成り行きってことになるはずなんです
けど隼人君にとっては、まさかのバッドな展開ですよね。
この雰囲気で拒否かよって思ってしまいますけど・・・。
ニンフはセックスすると老いが始まるってのがネックになってるみたいですね。
つづく。
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